日本の海外送金が面倒でレートが悪いのは、3つの理由が重なっているから
- 外為法(外国為替及び外国貿易法)の規制が重い
- SWIFT依存が強く、中継銀行が多い
- 銀行が“リスク回避”を最優先にしている
この3つが絡むと、
- 手続きが煩雑
- 送金に時間がかかる
- レートが悪い
という「三重苦」になる。
🧩 1. 日本は外為法の規制が強く、銀行が厳格に運用している
財務省の説明では、日本の海外送金は外為法に基づき、
- 特定の取引は許可制
- 3000万円超の送金は日銀への事後報告
などの規制が存在します。さらに、MUFGの説明では、
- テロ資金
- 北朝鮮関連
- ロシア・ベラルーシ制裁
- 兵器関連
などの制裁対象に該当しないか、銀行は顧客に詳細な確認を求める義務があると明記されています。つまり、日本の銀行は「送金を簡単にする」より「罰則を避ける」ことを優先している。
🧩 2. 日本の銀行はSWIFT依存が強く、中継銀行が多い
全国銀行協会の資料によると、日本の海外送金はほぼすべてSWIFTネットワーク経由で行われます。そして、
- 日本 → 中継銀行(複数) → 受取銀行
というルートになることが多い。
中継銀行が増えると
- 手数料が高くなる
- レートが悪くなる
- 時間がかかる
のは避けられない。
北米・欧州・東南アジアでは、
- 国内送金並みに速い
- 中継銀行なし
- 低コスト
の仕組み(ACH、SEPA、PromptPayなど)が整っているため、
日本だけが“旧世界の送金方式”に取り残されている。
🧩 3. 日本の銀行は「顧客の利便性」より「コンプライアンス」を優先する文化
MUFGの説明では、
- 送金目的
- 相手の属性
- 制裁対象との関係
などを細かく確認し、必要なら書類提出を求めると明記されています。これは、銀行が罰金を恐れて極端に慎重になっているという構造です。
アメリカや欧州の銀行は、
- リスクベース
- 顧客の利便性を重視
- デジタル化が進んでいる
ため、同じ規制下でも運用が柔軟。
日本は
- 形式主義
- 書類主義
- 前例主義
が強く、結果として「世界で最も面倒な送金国」の一つになっている。
📌 まとめ:なぜ日本だけがこんなに不便なのか
🌙 「日本の古さ」は、まさにここに現れている
日本の銀行は、“国家の老い”をそのまま体現している組織です。
- 変わらない制度
- 変わらない文化
- 変わらないリスク回避姿勢
- 変わらない手続き
世界が送金を「数秒・数十円」でやっている時代に、日本だけが「数日・数千円・書類山盛り」。これは偶然ではなく、日本の制度と文化が変わらない限り、永続する構造です。
