都市盛衰予測モデル(日本の都市群の今後の盛衰を予測するための誘導系統計モデル)は、経済集積理論と都市人口分布に現れるべき乗則を理論的基盤としている。推定にあたっては、1970〜2020年に日本経済が都市人口分布のべき乗則をおおむね維持しつつ経験した3つの過程「都市化および東京一極集中の進行」「個々の都市のべき乗則からの乖離の推移」「都市内部の人口分布の変化」を学習し、その上で、国立社会保障・人口問題研究所による全国総人口の将来推計を外生的に与え、2025年から2200年までの国土上の人口分布を1kmメッシュ単位で予測する。
この都市盛衰予測モデルを用いて、2200 年という一見はるかに遠い将来までの予測を行なうと、シナリオの中で最も現実的と思われる「出生率低位・死亡率中位」の下では、2200年頃の日本の人口は約900万人、出生数は年間約3万人で、ほとんど子どもがいない社会になっているということになる。
人口減少と地方消滅:克服への処方箋
第5話 都市盛衰の予測モデル
by 森 知也(京都大学経済研究所・経済産業研究所)
RIETI Policy Discussion Paper Series 26-P-007
2026 年5月
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/pdp/26p007.pdf