2025年2月14日~19日
AIを知らない人が集まって
変わる未来を語る愚かさ
パリで世界中のディシジョン・メーカーたちが集まって、AIのことを話し合う。でも参加者のなかに、AIのことがわかる若者はひとりもいない。会議に集まったAIを知らない人たちが何を話そうが、何も変わらない。馬鹿げている。
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国境で奴隷になった人たちが
解放されても心は晴れず
タイとミャンマーの国境のミャンマー側で、オンライン詐欺や麻薬売買といった犯罪に加担している外国人たちが奴隷のように働かされているといって、集められ、タイ側に引き渡される。マスコミは解放されたと書くが、それを読んでも心は晴れない。
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人ひとり頭脳と臓器が集まって
他のひとりと競い合うのか
ファクショナリズムは生命そのもののひとつの側面だ。それぞれの生物細胞はファクションの一部。肝細胞は肝臓の一部だし、肝臓は内分泌系の一部だし、内分泌系は生物の一部なのだ。その生物はファクショナルな利益のために、腸内細菌などの生物と同盟を組み、再び他の生物と対立する。ファクションから逃れることはできない。私たちはファクションでできているのだ。
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党作り 派閥を作り 徒党組み
戦うことが人の道だと
ファクショナリズムはどこにでもある。それは自然なのだろう。でも、と思う。「徒党を組む」「戦う」よりも、「徒党を組まない」「戦わない」のほうが、いいと。
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アノクラシー マイナス10 は 嫌だけど
プラス10 が いいとも言えない
アノクラシーとは、その国がどれくらい独裁的であるか、民主的であるかを測る指標で、「マイナス10(独裁的:北朝鮮、サウジアラビア、バーレーン)」から「プラス10(民主的:デンマーク、スイス、カナダ)」までの幅がある。どんな国にもそれぞれの事情があるけれど、自由がないのはつらい。
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アノクラシー 低いと内戦 起きるよと
言うけどそんなことは起きない
学者たちは、アノクラシーが低いと、内戦が勃発する可能性が高くなるという。でも、北朝鮮にも、サウジアラビアにも、バーレーンにも、内戦が勃発する気配などない。
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すがた見て 人を見下す 愚かさよ
もしかしたらば孔子様かも
姿を見て、あるいは様子を見て、人を判断するのは間違っている。そんなことはわかっているのだけれど、変な人が来れば避けるし、面倒くさい人と関わるのはごめんだ。でも、いま避けた人が孔子様だったかもしれず、いま断った人がビリー・ジョエルだったかもしれない。人は見かけだけではわからない。
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道端で酒盛りをする男女たち
私も入れてと言いそうになる
ホテルに帰る道の歩道で、若い男女たちが輪になって座り、暑いなか、ビールとつまみとで楽しそうに盛り上がっていた。どんな高級バーや酒場に行ってもこんなに楽しそうなグループはいないだろうというほどに笑顔がはじけていた。
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飛行機に乗れば私の国に着く
乗りたいような そうでないような
これから空港に行って飛行機に乗れば、日本に着く。そうすれば言葉の壁はなくなるし、旅の苦労からも解放される。でも、と思う。このまま旅を続けていたい。いつまでも知らない世界を彷徨っていたい。そういう気持ちは、贅沢なのだろうか。
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諍いや争いばかりの世の中を
避けて逃れてたどり着く場所
世界は争いで満ちている。諍いのない場所は少ない。土地とかカネとか人間関係とかが原因で諍いや争いが起き、それが裁判になり紛争になり戦争になる。攻撃的な人たちを避け、正常さを失った社会や国家から逃げ、いい場所にたどり着いたと思っても、そこにもそれなりの諍いや争いがある。人間がいる限り、諍いや争いから逃れることはできない。
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戦争を選ぶ人にはわからない
つらさ悲惨さ痛み悔しさ
戦争を選ぶ人たちは、自分たちでは戦わない。善意の人たちを戦場に送り込み、死んで帰ればそれを悼み、生きて帰ればそれを称える。自分で戦わないから、痛みを知らない。戦わない人たちが決めたことなんかには従わなければいいのだが、善意の人たちは言うことを聞き、傷つく。騙される人が悪いという意見もあるけれど、やっぱり騙す人が悪い。
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権力を持つのはみんな悪い人
社長 政治家 王様 偉人
権力が腐敗して権力者が悪い人になるのか、もともと悪い人が権力者になるのだろうか。そもそもなぜ悪い人をリーダーにするのか。人がそれを望むのか、それが人間の集まりの宿命なのか。偉大なリーダーは皆人殺しなのに、なぜ人はその悪人たちを崇めるのか。
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どんな人も嫌えばきっと嫌われる
なにも好かれることはないけど
人と人の関係は不思議で、嫌っていれば、間違いなく嫌われている。好きだからといって、必ず好かれるわけではないけれど。
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たくさんに好かれるよりも君だけに
好かれるほうがずっと嬉しい
多くの人と表面的につながるのと、ひとりの人と心を通わせるのとは、根本的に違う。広く好かれれる人が、深く好かれることはない。
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頑張って夢を叶えることよりも
君と並んで歩くのがいい
夢を実現させるのがいいという。でも僕は君と歩くほうを選ぶ。
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